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ブライズメイズ
2011
ブライズメイズ
Bridesmaids
2011年·映画·★ 6.9
あらすじ
パン屋を失い恋愛も仕事もうまくいかないアニーが、親友の結婚式のブライズメイド(介添え人)を引き受ける。しかし完璧な女性ヘレンとの主導権争いが始まり、次々と惨事が起きる。
AIレビュー
クリステン・ウィグとアニー・マモロが脚本を書き、クリステン・ウィグが主演したこの映画は、2011年の公開時に「女性向けコメディ映画の歴史を変えた」と評された。アカデミー賞脚本賞・助演女優賞にノミネートされ、批評的にも商業的にも成功した。
従来の女性向けコメディが「恋愛を中心に」「可愛く笑わせる」傾向にあったのに対し、本作は「自分の人生がうまくいっていない女性の痛みと笑いを正面から描く」ことを選んだ。アニーはかつての恋人に今も引きずられ、仕事は失敗し、他人の幸せを心から祝えない自分に罪悪感を覚えている。この複雑さが映画に深みを与える。
コメディとして純粋に面白いのは間違いない。飛行機内でのシーン、ブライダルドレス店での「問題の食中毒シーン」、ウェルカムパーティでの迷走したスピーチ等、映画史に残る「惨劇コメディ」の名場面が次々と生まれる。下品さと切なさが混在する笑いの質が他の多くのコメディ映画と一線を画す。笑える場面は本当に大きく笑えるが、そのすぐ後ろに人物の傷つきやすさが見える。
「親友が自分より自分に合いそうな新しい友人を見つける」という喪失の物語は、女性の友情の複雑さをリアルに描いている。アニーとリリアンの20年以上の友情と、リリアンとヘレンの新しい絆。この三角関係の描写が映画に単なる結婚式コメディを超えた深みを与える。
助演のメリッサ・マッカーシーのブレンナが映画全体の笑いの量の相当部分を担い、彼女のアカデミー賞ノミネートは完全に正当だった。しかし映画の本質的な感情はクリステン・ウィグの「うまくいかない大人の女性の、うまくいかない気持ち」の誠実な描写にある。
見終わった後、アニーのことが心配になって笑えて、そして少し元気になる。「うまくいかない時期」を経験したことのある人なら確実に刺さる作品。
ポール・フェイグ監督とクリスティン・ウィグが手がけたこの作品は、女性主導のR指定コメディ映画が興行的に成立することを証明し、ハリウッドの性差別的な常識を覆した歴史的な意義を持つ。ウィグが演じるアニーの自己破壊的な行動と、それでも友情にしがみつこうとする切実さは、コメディの枠内で描かれながらも深い人間的な共感を呼び起こす。女性同士の友情の複雑さを、美化せずリアルに描いた点において先駆的な作品だ。
アンサンブルキャストの化学反応が生み出す笑いは、各キャラクターの個性と弱点が互いに衝突することで生まれる有機的なものだ。メリッサ・マッカーシーが演じるミーガンの存在は映画全体に予測不可能な活力を与えており、友情の価値と嫉妬という人間の感情の普遍性をコメディという形式で描くことに成功している。単なる笑いを超えた感情的な深みを持ち、女性映画の地平を広げた意義において、コメディ映画の歴史における重要な一本として評価される。
この作品が持つ独自の視点は、同ジャンルの他作品と一線を画す要素となっている。物語の展開に伴い、登場人物たちの内面が丁寧に掘り下げられ、観客は彼らの喜びや苦しみを自分事として受け止めるようになる。こうした感情的な同一化こそが、映画体験を単なる娯楽から人生を豊かにする体験へと昇華させる鍵である。
映像表現の観点から見ると、本作は視覚的な語り口に特筆すべき工夫が凝らされている。カメラアングルや照明の使い方、色彩の選択が物語のトーンと見事に調和しており、視覚的な美しさが内容の深みを引き立てている。音楽も然りで、場面の感情を増幅させる役割を果たしながらも、決して過剰に主張することなく作品全体に溶け込んでいる。
この映画が今日もなお語り継がれる理由は、時代を超えたテーマの普遍性にある。人間関係の複雑さ、社会への問いかけ、個人の選択と結果といった主題は、どの時代の観客にも共鳴する。制作から年月が経過しても古さを感じさせない完成度は、本物の芸術作品が持つ証明でもある。
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