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ジェントルメン

2024

ジェントルメン

The Gentlemen

2024·ドラマ·シーズン1·8.0

あらすじ

英国貴族が大麻農場を相続したことで裏社会に巻き込まれる。ガイ・リッチー監督が自身の映画を再解釈したNetflixシリーズ。

AIレビュー

ガイ・リッチーという映像作家の本質を一言で表すなら「クールな複雑さ」だろう。「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」以来、彼は犯罪映画をファッションとして機能させることで独自のブランドを確立してきた。2024年のNetflixシリーズ「ジェントルメン」は、2019年の自身の映画を大胆に再解釈した作品であり、リッチーが培ってきた美学をテレビという形式で最大限に展開させている。 主人公エディ・ハルステッド(テオ・ジェームズ)は軍人上がりの英国貴族で、父親の死によって巨大な農場を相続する。しかしその農場の地下には、英国最大のマリファナ栽培ネットワークが隠されていた。農場を売却しようとすれば、現在の経営者たちが黙っていない。農場を維持しようとすれば、継続して犯罪に加担することになる。この「逃げ場のない継承」という設定が、物語の大半における張力を生み出している。 全8話の展開は、リッチーならではのリズムで進む。過去と現在が交錯するナラティブ、洒脱な会話劇、突発的な暴力シーン——映画版ファンには馴染み深いパターンが、テレビの長尺フォーマットによってより豊かに展開される。脇役陣の厚みがシリーズフォーマットの恩恵を受けており、映画では掘り下げる時間のなかったキャラクターたちに個性と背景が付与されている。クライヴ・オーウェン演じるダウンマーケット出身の老コックニー犯罪者の怪物的存在感は、シリーズ最大の収穫のひとつだ。 テオ・ジェームズは本作でブレイクスルーを果たした。長身で英国的な優雅さを持ちながら、戦場で磨かれた実戦的な冷静さを備えるエディのキャラクターは、彼の身体的条件と演技力が理想的に一致している。アクションシーンでの動き方の説得力と、貴族的な社交場面でのコメディ感覚の両立が見事だ。エディを囲む犯罪者・貴族・警察官たちとの駆け引きが、各話のハイライトを形成している。 リッチー映画の定番ともいえる「メタフィクション的な語り構造」も本作では健在だ。物語内に「この話を語っている存在」を設けることで、視聴者は常に「これはどの視点から語られているのか」を意識させられる。この語り手の問題が後半になって意外な意味を持ち始める展開は、シリーズ全体への伏線として機能している。映画版の2019年作品とは独立したストーリーなので、映画を見ていなくても問題なく楽しめる。 視覚的には本作は極めて贅沢だ。英国の田舎風景と犯罪の世界が交わる映像は一貫してスタイリッシュであり、衣装・セット・撮影の調和が完璧なルックを作り出している。音楽の使い方もリッチーらしく、各シーンの感情温度を絶妙に操作している。特にアクションシーンでの音楽選択は「カッコいい暴力」というリッチー特有の美学を体現している。 「ジェントルメン」は重厚なメッセージを求める視聴者より、純粋にクールなエンターテインメントを享受したい人向けだ。ブリティッシュ・クライムの格好よさを存分に楽しめる。Netflixで手軽に見られる中毒性の高いシリーズとして、週末の一気見に最適だ。シーズン2の制作も発表されており、今後の展開にも注目が集まっている。 リッチーの世界では、誰もが何か裏の目的を持っており、表向きの会話と実際の意図は常にずれている。この「全員が何かを隠している」という緊張が、各シーンをスリリングにする。コメディとして笑えながら、クライム・スリラーとしても楽しめる二重構造は、他のジャンル作品と比べて本作を頭一つ抜けた位置に置いている。英国のシリーズらしい皮肉の効いたユーモアが全編を彩っており、見終えた後の余韻も心地よい。

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一気見向きゾクゾクする笑えるスタイリッシュ犯罪ドラマ

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