📺

レフトオーバーズ

2014

レフトオーバーズ

The Leftovers

2014·ドラマ·シーズン3·8.3

あらすじ

世界人口の2%が突然消滅してから3年後の世界。残された人々の喪失・信仰・再生を描くHBOの傑作ドラマ。

AIレビュー

テレビドラマの歴史において「レフトオーバーズ」ほど野心的に感情の極限を探求した作品は少ない。デイモン・リンドロフ(「LOST」)とトム・ペロッタ(原作小説)が組んで生み出したこのHBOシリーズは、表層的には「突然失踪」というSFファンタジー的設定を持ちながら、実際には「説明のつかない喪失とどう共に生きるか」という最も根源的な問いに向き合った宗教哲学的ドラマだ。 設定は明快だ。ある日、世界人口の2%が何の前触れもなく消滅する。3年後、生き残った人々が集まるニューヨーク州の小さな町メープルトンが主な舞台だ。喪失は等しく分配されず、誰かの夫が消え、誰かの子が消え、誰かは誰も失わなかった——この不公平な喪失の分配が、コミュニティの亀裂を生む。消滅の原因は宗教的解釈も科学的説明も与えられず、作品全体を通じて「なぜ」の答えは出ない。この「説明なし」の選択が本作の根幹だ。 シーズン1はトム・ペロッタの原作に近く、喪失の処理の失敗としての宗教的陥穽や自傷行為を描く。「罪悪的残存者同盟(GR)」という沈黙の服を着て喫煙し続ける集団の描写は、悲嘆の儀式化を鮮烈に視覚化する。しかしシーズン2以降、リンドロフはより大胆な方向に舵を切る。テキサスの「奇跡の町」への移住——そこでは消滅事件が一人も起きなかった——という設定が加わり、「選ばれた者と残された者」という宗教的テーマが深化する。 シーズン2第5話「国際的な感謝の歌」(ケビンの意識が異界をさまようエピソード)は、テレビドラマ史上最も大胆な実験的エピソードのひとつとして永く記憶される。このエピソード単独で映像作品として完結しており、本作の野心の頂点を示している。歌と踊りと存在論的な問いが混在する45分は、リンドロフが「LOST」最終回で果たせなかった約束を別の形で果たした証言でもある。 シーズン3ではオーストラリアを舞台に、世界の果ての町での最後の物語が語られる。この選択——文明の中心から遠く離れた辺境で終わること——は本作の根本的な問いを象徴している。世界が消えていくことへの準備をどうするか、という問いに答えるために、最終的にノラとケビンは極限まで追い詰められる。 ジャスティン・セロー(ケビン・ゲルニー役)とカリー・カラン(ノラ・ダースト役)は本作で生涯最高の演技を見せている。特に最終回のノラが「2%の人々の行先」を語る場面の、あの不確かでありながら完全な着地は、「LOST」最終回への最も誠実な応答でもある。見終えた後、しばらく言葉が出なくなる種類の結末だ。 「レフトオーバーズ」は一気見するには重すぎる。1話ずつ、間を置いて見ることを推奨する。しかし、テレビドラマが人間の感情と存在の問いにどこまで深く踏み込めるかを知りたい人には、これ以上のお薦めはない。 HBOがこの種の野心的なシリーズを3シーズン完走させたことは、現代テレビ産業の奇跡のひとつだ。視聴率は高くなかったが、批評的な評価と口コミが作品を生き続けさせた。「レフトオーバーズ」はネットフリックス以前のHBOが最後に生み出した傑作のひとつとして、テレビドラマ愛好家の間では語り継がれている。全27話、見る者の人生に永続する傷跡を残す——それが最高のドラマだ。 ジャスティン・セロー演じるケビン・グレアリーが歩む道は、喪失に意味を見出そうとする人間の抗いとして、シリーズ最大の感情的クライマックスを迎える。「消えた人々」の謎は明かされない。なぜなら、この物語は謎解きを目的としていないからだ。喪失の後に残る「それでも生きる理由」を問い続けるドラマとして、「レフトオーバーズ」は唯一無二の位置に立っている。見終えた後の沈黙が、作品の真の深さを語っている。

どこで見れる?(見放題)

タグ

考えさせられる傑作隠れた名作名作哲学的

Blu-ray・DVDを探す

関連おすすめ作品