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チャレンジャーズ

Challengers

2024·映画·131·7.4
ロマンススポーツドラマ

あらすじ

かつて将来有望だったテニス選手タシは、ケガで引退した後、夫アートのコーチを務めている。ランキング下位のチャレンジャー大会でアートは旧友パトリックと対戦することになるが、3人の間には複雑な過去があった。ルカ・グァダニーノ監督によるテニスを舞台にした三角関係スリラー。

AIレビュー

ルカ・グァダニーノ監督の「チャレンジャーズ」(2024年)は、テニスをモチーフにした愛と競争の三角関係劇だ。しかしこれは「テニス映画」ではない——テニスは戦場の比喩であり、コートを挟んで繰り広げられるのは「誰が誰を欲しているか」という欲望の争奪戦だ。 タシー・ダンカン(ゼンデイヤ)、パトリック・ズボースキー(ジョシュ・オコナー)、アート・ドナルドソン(マイク・ファイスト)。10代の頃から続く三角関係は、時間軸を行き来しながら現在——アートとパトリックの最終戦——に向かって収束する。誰が最初に誰を愛したのか、誰が誰を壊したのか——過去と現在が交差する構成で、真実が少しずつ明らかになる。非線形の語り口は混乱させる狙いではなく、「視点によって記憶が変わる」という愛の本質を体現している。 ゼンデイヤの存在感が圧倒的だ。タシーは才能を持ちながら怪我でプレーヤーとしてのキャリアを絶たれ、コーチとして夫アートを操り、かつての恋人パトリックの存在に揺れる。「完全に自分の欲望に正直な人間」の怖さと魅力を、余裕と破壊力を同時に体現しながら演じる。ジョシュ・オコナーとマイク・ファイストの演技も、互いに対する感情が「友情か、敵意か、愛か」の曖昧さを保ちながら展開し、映画の複雑さを支える。特に二人の男性の関係性が、単純な「ライバル」を超えた何かを帯びていることが、映画の通奏低音として流れる。 撮影が革新的だ。テニスのラリーをボール視点で撮るシーンは、観客を文字通り「試合の中」に投げ込む。グァダニーノが選ぶカメラアングルとカット割りは、緊張と快楽のリズムを精密に設計し、スポーツシーンをエロティックに変換する。 トレント・レズノア&アティカス・ロスが手がけた音楽は映画の軸だ。テクノとクラシックが融合したスコアは、試合の物理的緊張と感情の渦を重層的に重ねる。「ソーシャル・ネットワーク」や「ゴーン・ガール」でも見せた彼らの「感情の自動化」がここでも機能している。この音楽なしでは「チャレンジャーズ」は別の映画になっていた。大音量で聴ける環境での視聴を強く推奨する。 グァダニーノの「君の名前で僕を呼んで」と精神的に連続している——欲望の身体性と痛みを描く作風が健在だ。しかし本作はより「冷徹」で、感傷よりも計算、ロマンスよりも戦略を前景化する。愛の物語でありながら愛の温かさをほとんど感じさせない構造が、見終わった後の複雑な余韻を生む。テニスの知識は不要。上映時間131分。Amazon Prime Videoで配信中(日本含む)。 ルカ・グァダニーノは「サスペリア」「ボーンズ・アンド・オール」と次々と異なるジャンルに挑戦しており、本作はその中で最も「軽やかに見えて深い」映画だ。3人の俳優が実際にテニスのトレーニングを受けたことも、スポーツシーンのリアリティに貢献している。ゼンデイヤはテニスプロとして見えるだけの身体的説得力を身につけた。映画の中で誰が「勝者」かを決めることを映画が拒否するエンディングは、「愛」「競争」「欲望」のいずれもが「勝者/敗者」の二項対立で語れないことの表現だ。見た後に「で、誰が一番好きだった?」と友人と話したくなる映画。 **視聴ガイド**: 全16話で完結するため、週末を使った一気見にちょうどよいボリューム。韓国ドラマ初心者にも勧めやすく、職場での人間関係や中年の生き直しというテーマは年代を問わず共感を呼ぶ。静かな感動と深い余韻が長く残る作品。 テニスと三角関係を通じて、欲望と競争心の本質を問う本作は、ルカ・グァダニーノ監督の鋭い人物観察が光る作品。ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、マイク・ファイストの三者の化学反応が映画全体を支配する緊張感を生み出す。

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タグ

テニス三角関係官能的スポーツドラマゼンデイヤ

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